「ヘルスリテラシー」とは、「健康や医療に関する正しい情報を入手し見極め理解し活用する能力の事」です。「リテラシー」とは、もともと「読み書きの能力」を意味する言葉ですが、現在では「ある特定分野の事象や情報を正しく理解・分析・整理し、それを自分で判断・活用する能力」という意味合いで使わています。
現代ではテレビ、本、SNS、インターネットなどさまざまな方法で健康・医療に関する情報を簡単に手に入れる事が出来ます。しかし一方でそれらすべての情報が正しいとは限りません。「○○だけダイエット」「必ずガンが治る」など誇大にうたわれた情報を見かけることも多いはずです。特にネット上には、玉石混淆のさまざまな情報が溢れています。その中から信頼できる情報を見つけるにはどうしたら良いでしょうか。信頼できる情報を見極めるヒントは「情報の科学的根拠」に着目することです。聖路加国際大学の中山和弘教授が提唱している正確な情報を見分ける5つのポイントの頭文字「か・ち・も・な・い」で確認することをお勧めします。
<情報の信頼性の確認>
か:書いたのは誰か、情報発信しているのは誰か(信頼できる専門家公的機関か)
ち:違う情報と比べたか(1つの情報だけでなく他の情報源も調べたか)
も:元ネタは何か(情報源としてエビデンスが示されているか)
な:何のための情報か(広告や商業目的ではないか)
い:いつの情報か(作成日や更新日が示してあるか)
この5つのポイントで正しい情報を入手することができます。そしてこの情報を理解し活用することが重要です。そのポイントの頭文字が「お・ち・か・た」です。
<意思決定のポイント>
お:オプション(選択肢)
ち:長所(各選択肢の長所)
た:短所(各選択肢の短所)
か:価値観(各選択肢の長所と短所を比較して、自分にとって何が重要かはっきりさせる)
どんな決定をしても後悔はつきものですが、正しい情報や知識を入手し、その長所と短所を理解した上で自分の価値観に合ったものを選ぶ。無理のない範囲で自分にできる事から始める事が重要です。「ヘルスリテラシー」を高める事が健康向上につながります。
参照資料*これからのヘルスリテラシー 健康を決める力(中山和弘 著)